
YMO(イエロー・マジック・オーケストラ)に、ナイス・エイジ(NICE AGE)という曲がある。
4作目のアルバム『増殖 – X∞ Multiplies』の収録曲である。はじめて聞いたのは中学1年生の時で、ずいぶん昔のことである。
この曲の1分20秒頃から、女性の声でいきなり「ニュース速報 22番は、今日で1週間に経ってしまったんですけれども、でももうそこにはいなくなって、彼は花のように姿を現わします。(※そのあとは、英語で聞き取れなかった)」とニュース速報を読み上げる箇所がある。これが何のことを意味しているのか、中学1年生の時からずっと謎であった。
あれから40年以上も経ち、ようやくその謎が解けた。アルバム『増殖 – X∞ Multiplies』の他の収録曲について、Wikipediaで調べていた時、たまたまナイス・エイジの部分が目に留まり、その答えが書いてあった。
正確なニュースの内容は、
「ニュース速報 22番は、今日で1週間に経ってしまったんですけれども、でももうそこにはいなくなって、彼は花のように姿を現わします。Coming Up Like A Flower(✖ 4回)」であり、
22番とは、
1980年1月16日、訪日したポール・マッカートニーが成田空港の税関で大麻取締法違反により現行犯逮捕されて、9日間勾留された際の拘置所内での番号であり、
Coming Up Like A Flowerとは、
ポール・マッカートニーが1980年4月11日にリリースした「カミング・アップ」(Coming Up)内の歌詞である、
ということが分かった。
では、なぜYMOがそのことを取り上げなきゃならないのかというのは、本作の録音当時、ポール・マッカートニーとのセッションを予定していたが逮捕勾留によりセッションが不可能となってしまったからで、そして、そのことをポールの妻のリンダ・マッカートニーからニュース速報として伝えられたらしい。
ポール・マッカートニーの逮捕は有名な話だが、YMOとセッションをする予定だったとは初耳だった。
ポール・マッカートニーにしては気の抜けたような変な曲で、よくこれで全米1位になったものだと思う。
ただ、ミュージックビデオは面白く、彼が1人10役(ビートルズ時代の自分自身を含め)もしており、最初の妻のリンダ・マッカートニーも1人2役(隣のヴォーカルの男性)をしている。
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