あらゆるジャンル(クラシックからポップス等)、演奏形態(ピアノ独奏曲、ピアノ協奏曲等)を問わず、すべてのピアノ曲の中で一番好きなのは次の曲である。
ピアノソナタ 第8番 ハ短調『悲愴』 Op.13 ベートーヴェン
最も有名なのは第2楽章であるが、第1楽章と第3楽章が、とにかくかっこいい。
ちなみにベートーヴェンのピアノソナタは32作品(だいたいは3楽章編成、まれに2楽章、4楽章編成)あるが、ベートーヴェン自身が標題を与えているのは、本作の『悲愴』と第26番『告別』の2作品しかない(『月光』、『テンペスト』、『熱情』などは何れも通称)。
第1楽章
Grave 4/4拍子 – Allegro di molto e con brio 2/2拍子 ハ短調、ソナタ形式。
出だしは悲愴感溢れる曲風でちょっと嫌だなと思うが、すぐに明るい雰囲気になる名曲である。
有名なのは第2楽章ではあるが、個人的にこっちの方が好きである。
第2楽章
Adagio cantabile 2/4拍子 変イ長調、ロンド形式。
映画、ドラマ、CMによく使用される超有名曲。だれでも一度は耳にしたことがあるのではないか。
第3楽章
Rondo, Allegro 2/2拍子 ハ短調、ロンド形式。
第1楽章の次に好きな曲。
先に述べたとおり、ベートーベンのピアノ・ソナタは32作品あるが、これらはピアノ音楽の「新約聖書」と言われている。では「旧約聖書」は何かと言われると、バッハの「平均律クラヴィーア曲集」である。
32作品の中で、ここであげた第8番 ハ短調『悲愴』 Op.13 以外で好きなのは次である。
- 第14番 嬰ハ短調 『月光』 Op.27-2
- 第17番 ニ短調『テンペスト』 Op.31-2
- 第21番 ハ長調 『ヴァルトシュタイン』 Op.53
- 第23番 ヘ短調 『熱情』 Op.57
しかしながらこの4作品、いずれも第1楽章と第3楽章は良いのだが、なぜかどれも第2楽章が良くない。
その点、3楽章ともすべての曲がいいのが第8番『悲愴』であり、そういうことから第1位にした。
2位はいろいろと選ぶのが難しいけど、強いてあげるならこの曲。
ピアノ協奏曲 第20番 ニ短調 K.466 モーツァルト
ピアニスト(兼指揮者 =弾き振り)は、ちょっとか○はこわいが、モーツァルト弾きの巨匠と呼ばれる内田光子。1970年 ショパン国際ピアノコンクール第2位受賞者である。わたしもCDを何枚も持っている。
第1楽章
アレグロ、ニ短調、4分の4拍子、協奏風ソナタ形式。
映画『アマデウス』(1984年)で、モーツァルトの家に黒装束・黒覆面の男が「レクイエム」(死者のためのミサ曲)を注文しに行くという重要なシーンで使用された。
第2楽章
ロマンツェ、変ロ長調、4分の4拍子、三部形式。
同じく『アマデウス』のエンディング曲として使われたことで有名。
はじまりはゆったりとした曲であるが、中間部より転調し嵐のような激しい緊張感のある曲風(この演奏では19:45~)となり、またもとのゆっくりした曲に戻るという珍しい曲(単純化するとABA形式?)。
第3楽章
ロンド:アレグロ・アッサイ、ニ短調 – ニ長調、2分の2拍子、ロンドソナタ形式。
第1楽章と同様、短調の激しい曲想で始まるが、エンディング直前で長調に転調して締めくくる。
ちなみにこの演奏の第1・3楽章のカデンツァ部分の作曲は、ベートーヴェン作である。
第1楽章…11:49~、第3楽章…30:05~
カデンツァとは、協奏曲などでオーケストラの伴奏を一時的に止めてソリストが独奏する部分(主に楽章の終わり)を指す。ソリストのテクニックや表現力を最大限に引き出す華麗な部分である。
※モーツァルトは自作自演をしていたが、このカデンツァ部分を即興演奏していたのではないか?
というより、モーツァルトなら、始めから終わりまでの全てのピアノパート部分も即興で演奏できるはずだ。
コメント